新刊紹介

2018年11月26日

『新聞記者 山本祐司』(水書坊刊、税込3、500円)の刊行

 2017年7月22日に亡くなった元・社会部長(東京)山本祐司さん(享年81)の遺稿集が2018年11月20日に刊行された。幼くして文才発揮となった早稲田中学時代の作文から、早大童話会での創作ノート、そしてロッキード事件で頂点を極める司法記者としての記事・論考の数々、さらには脳出血で半身不随となりながら驚異の復活でものにした左手書きの著作、次いで晩節全うし手塩にかけたルパン文芸での作品群など、加えて、幼き日のやんちゃから司法記者の取材現場を生々しく写し取った日記、および通史、著作全目録、217人からの追悼一言集も収め、566ページの大部となった。「人間万歳」「巨悪を眠らすな」「居眠狂四郎」等々の自他称形容句そのままの半生を彩る人間記録ともなっている。

 編纂・刊行にあたったのは、故人と入社同期(1961年)、並びに司法記者クラブで同席した仲間たちの有志。はじめ「山本祐司遺稿集期成協力会」の名で広く呼びかけ、最終的には「新聞記者 山本祐司」編纂・刊行の会、と名乗った。会としては、出入り自由で、出来る奴が出来ることをする緩い組織だったが、結果として、天野勝文、今吉賢一郎、大住広人、今江惇、藤元節、勝又啓二郎、野村修右、高尾義彦が常連として携わり、事実上の編集委員会を形成している。

 さらに、立上げにあたって基金協力を呼びかけたところ、毎日新聞内外の119人から、ほぼ本体製作費に見合う額が寄せられた。故・山本祐司の徳とするところであると同時に、この席をかり、刊行の会として、改めて御礼申し上げる。ありがとうございました。

 発行元は、人間形成ものに理解深い「水書坊」に依頼したが、実質上は、製作共々毎日新聞グループ「毎栄」(社長・小泉敬太)に引き受けて頂いた。箱入り装幀の400部。別刷8ページの写真グラフも添えている。原価計算から定価3,500円(税込み)としたが、市販はしない。購読注文歓迎で、問合せ共 (大住) (高尾)090-1500-8740(高尾)へ。

(記・大住広人)