新刊紹介

2019年8月8日

青田孝著『鉄道を支える匠の技 訪ね歩いた、ものづくりの現場』

 2019年8月3日付日本経済新聞に続き、7日付東京本社朝刊「ブックウオッチング」欄で紹介された。

 ——鉄道を支える企業20社の技術に肉薄した。気づくのは、取り上げた企業のほとんどが中小、なかには社員8人という会社さえあることだ。日本の鉄路が、こうした人たちの汗で磨かれてきたことが手に取るように分かる。南満州鉄道(満鉄)出身者が創立した企業が登場するなど、日本の鉄道技術者の系譜がかいま見え、ぞくりとさせられる。鉄道はどんな角度からでも楽しめる、くめどもつきぬ愉楽の泉だ。

 青田さんは、1947(昭和22)東京生まれ。日大生産工学部機械工学科で鉄道車両工学を学び、卒業研究として国鉄鉄道技術研究所で1年間研修をしたという鉄道技術マニア。卒業後、毎日新聞社に入社。技術職から編集職場に移り、編集委員などをつとめた。

(交通新聞社・864円)

(堤  哲)