新刊紹介

2021年4月12日

関千枝子さんの絶筆『続ヒロシマ対話随想』発売

 関千枝子さん(1954年入社。2021年2月21日逝去、88歳)の毎友会HP追悼録に、社会部旧友・野村勝美さん(91歳)が《「関千枝子さんが亡くなった」と電話をくれたのは、私と早大露文科で同級だった作家の中山士朗君だった。中山君は、「知の木々舎」なるブログに、関さんとの『ヒロシマ往復書簡』を発表し、それらを2012年から4巻、西田書店から刊行している》と記していたが、その完結となる第5巻(「往復書簡」3巻と「対話随想」2巻)が、西田書店から発刊された。

 《広島に原爆が落ちた時、中山君は県立広島一中の3年生で15歳、関さんは広島第二県女の2年生で13歳だった。中山君は勤労動員で建物疎開の作業中に被爆、関さんはその日動員に欠席して死を免れた》のである。

 毎日新聞は4月10日付社会面で竹内麻子記者が「原爆の記憶込めて/2月死去関千枝子さんの絶筆/『続ヒロシマ対話随想』発売」と報じた。

 その記事によると、《関さんが中山さんを誘い、2012年からウェブマガジン「知の木々舎」でエッセーを連載。多感な時期に原爆に遭った2人は互いの言葉に刺激を受けて記憶をたぐり寄せながら、200回にわたって世の中に対して思うことを率直につづった。このエッセーをもとに「ヒロシマ往復書簡」第1~3巻と「ヒロシマ対話随想」(いずれも西田書店)を出版し、今回が集大成の5冊目となった》。

 西田書店のHPには、《 二人の被爆者が遺す日本人が忘れてはならない記録と記憶の継承は私たちに委ねられた》とある。

 ISBN-978-4-88866-658-9 定価(本体1600円+税)。

(堤  哲)