新刊紹介

2021年7月6日

小倉孝保著『十六歳のモーツァルト 天才作曲家・加藤旭が遺したもの』

 KADOKAWAのHPにある、この本の紹介——。

 「病気の子も、好きなことをしたい気持ちを持っています」

 作曲家・池辺晋一郎から才能を賞賛された少年は、幼少時から500曲を作るも、脳腫瘍で世を去った――

 栄光学園同級生に影響を与え、病に向き合う人々を勇気づけた〈永遠の十六年〉をたどる感動のノンフィクション!

 「模倣がなく、すべてがオリジナルだ」

 「目の前の風景を描くように音を紡いでいる」

 幼少期から類いまれな作曲の才能に恵まれた加藤旭は、音楽家から「モーツァルト以上の才能」と評され、将来を嘱望される存在だった。しかし、栄光学園(神奈川県)進学後、脳腫瘍を発症し、全身にがんが転移する悲劇に見舞われる。

 宮沢賢治の童話に影響を受けた旭は、失明しながらもオリジナルCDを世に残そうと、周囲の支えの中で一度遠ざかった音楽に再び向き合う――。

 定価: 2,420円(本体2,200円+税)

 ISBN-10 ‏ : ‎ 4041112206  ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4041112205

 筆者・小倉孝保さんは、1964年滋賀県生まれ。88年毎日新聞社入社。カイロ、ニューヨーク両支局長、欧州総局(ロンドン)長、外信部長、編集編成局次長を経て論説委員。

 2014年、日本人として初めて英国外国特派員協会賞受賞。

 『柔の恩人 「女子柔道の母」ラスティ・カノコギが夢見た世界』(小学館)で第18回小学館ノンフィクション大賞、第23回ミズノスポーツライター賞最優秀賞をダブル受賞。

 著書に『ロレンスになれなかった男 空手でアラブを制した岡本秀樹の生涯』(KADOKAWA)『100年かけてやる仕事』(プレジデント社)など多数。

 日刊ゲンダイの連載「一条さゆりとその時代」は7月5日付第66回が最終回だった。取材のきっかけは「一条さゆりが西成に住んでいる」と知ったこと。大阪社会部の鑑である。

(堤  哲)