新刊紹介

2021年11月8日

毎日新聞出身の石戸諭さんが『東京ルポルタージュ』『視えない線を歩く』刊行へ

◆『東京ルポルタージュ』の概要は以下の通りです。

 上京して「正義」の自粛警察活動に勤しんだ、ユーチューバーの知られざる過去――
 新型コロナの感染源と名指しされた「夜の街」、取り戻すために動き出した人々の想い――
 東京オリンピック、最前線で感染症対策にあたった専門家が考えたこと――
 薬物依存症患者が直面した危機、やがて彼は小説を書きはじめる――
 「鬼滅の刃」だけが救いになった女性が選んだ道――
 行政が機能不全に陥る中で、訪問診療で新型コロナ患者を救おうとした医師――
 休業を選んだバーが、それでも営業をあきらめない理由――
 デビュー40年目の佐野元春が日本武道館ライブで歌う、「今までの君はまちがいじゃない」――
 困難に直面しても、人は集い、そして歩き始める。

 第1回PEPジャーナリスト大賞受賞、気鋭のノンフィクションライターが街を歩き、耳を澄まし、描き出す。 2020年〜2021年、激動の東京。感染と祭典の都市に生まれた31の物語 聴け、東京の声を――

 「私は歌舞伎町が感染者を責めない街ならば、この社会はあらゆるものを責める社会ではないかと思った。 敵を見つけ、名指しし、排除も差別も肯定する社会を目指すのか。 専門知と現場で積み上がった知を組み合わせて、 共通の目標としてリスクの低減に向けて動き出すのか。 少なくとも、新宿・歌舞伎町という街を守るため、 新型コロナウイルス対策に邁進した行政、名指しされながらも 日々経営を続ける人々は後者を選び、歩き出している」 (本書収録「名指しされた人々」より)

◆「視えない線を歩く」の概要は以下の通りです。

 2011年3月11日。あの日から続く非常事態を人々はどう生きたか。何を考えたか。

 論争の中で塗りつぶされていく多様性、忘却されていく過去を、ていねいに見つめ直す。
 第1回PEPジャーナリズム大賞受賞のノンフィクションライターが綴る傑作。

 第1章 先取りされた「緊急事態」の記録
 第2章 人に会いに行く
 第3章 理解、その先へ
 第4章 トモヤの10年
 第5章 何も知らない
 終章 家族の時間

(石戸 諭)

 「視えない線を歩く」は講談社から11月12日発売。1,650円(税込み)「東京ルポルタージュ」は毎日新聞出版から11月27日発売。1,760円(税込み)。副題に「疫病とオリンピックの街で」

 ※石戸諭(いしど・さとる)さんは1984年生まれ。2006年毎日新聞入社、同年4月〜2011年3月まで岡山支局。2011年4月〜2014年3月まで大阪社会部。2014年4月〜2015年12月までデジタル報道センター。2018年4月に独立しフリーランスに。