新刊紹介

2022年11月4日

毎日新聞創刊150周年記念出版と銘打った 写真部史『目撃者たちの記憶 1964~2021』

 「写真部史刊行にあたって」と、序文を寄せているのは、丸山昌宏毎日新聞社会長である。

 150年に及ぶ毎日新聞社の歴史で、写真部長を務めた記者が社長になったのは初めて。

 《フィルムからデジタルに変わっても、真実を求め、その一瞬を逃すまいという写真記者の気迫はいつの時代の写真からもうかがえます》

 《90年にわたる毎日新聞写真部の伝統は、先輩写真記者から後輩に脈々と受け継がれ、大きな成果を残してきたのです》

 《新聞界のグランプリである日本新聞協会賞を毎日新聞社は報道で計34回と最多受賞していますが、そのうち10回が写真報道での受賞という事実がそれを示しています》

 ついで版元大空出版のHPから——

 毎日新聞創刊150周年記念出版
 常にスクープの最前線に立つ新聞社のカメラマンたち
 事件・事故の瞬間に何を考え撮影したのか
 「スクープの毎日」と呼ばれ毎日新聞社を支え続けた
 カメラマンたちの記憶と足跡を辿る報道写真史

 スクープ報道を見て、写真の迫力に驚くことはよくある。だが、報道する側は誰よりも先に情報を知っていなければ伝えることはできない。時に記者よりも早くカメラマンが現場に入り撮影しているケースは少なくない。つまりカメラマンはスクープの第一目撃者にもなり得るのだ。新聞報道という一つの時代を背負ってきたカメラマンたち。本書は過去60年間の事件・事故・災害などを中心に、スクープを撮り続けたカメラマンたちの記憶を辿る。ピュリッツァー賞をはじめ数々の新聞協会賞などを受賞した彼ら。その裏には、「スクープの毎日」と呼ばれた記者魂があった!

 毎日新聞写真部OB会 編
 発売日:2022年11月4日
 判型:B5判頁数:276ページ
 価格:2420円(税込み)
 ISBN:978-4-86748-005-2

[内容]特別寄稿 佐高信「時代を超えて残るもの」
 三億円事件現場の空撮/大久保清容疑者が乗る警察車両とカーチェイス/あさま山荘事件/三菱重工ビル爆破事件/ベトナム戦争終結 サイゴン脱出/田中角栄前首相を逮捕/敦賀原発放射能漏れ事故取材記/日航ジャンボ機墜落事故/「昭和」最後の日の思い出/ベルリンの壁崩壊取材記/金日成主席単独会見取材記/雲仙で大規模火砕流発生/カンボジアPKO取材記/阪神大震災で自宅が全壊、被災者が取材者になった/オウム真理教の麻原を撮った/西鉄バスジャック事件/阪神タイガース・星野監督胴上げを空撮する/JR福知山線脱線事故空撮取材/東日本大震災 大津波との遭遇/天皇陛下即位のパレードの取材記/九州豪雨で球磨川が氾濫、土砂崩れが多発/2021年 コロナ禍の東京五輪 など

(元東京本社写真部長・堤  哲)