新刊紹介

2023年11月14日

専門編集委員、会川晴之さんが新刊「核の復権 核共有、核拡散、原発ルネッサンス」=日本記者クラブ会報11月号から転載

▼核に揺れる世界を読み解く

 「核の復権」と呼べる現象が世界で相次いでいる。

 ロシアのプーチン大統領は、核兵器を「脅し道具」に使い、中国は、核ミサイルを収容するサイロを増設するなど核軍拡に走る。台湾有事に備えようと、日本でも核共有を探る動きが出ている。

 福島第一原発事故で一時は失速した原子力発電も、地球温暖化対策の「切り札」として脚光を浴び始めた。

 変化の行き着く先はどこか。課題を含め、その動きを追った。

(専門編集委員、会川 晴之)

KADOKAWA / 1056円 / ISBN 404082458X

KADOKAWAの新刊紹介によると―

はじめに第一章 核共有は日本の安全保障を本当に高めるのか(1)議論の始まり(2)核共有とは何だろう(3)欧州核共有の歴史(4)生き残った核共有(5)核共有はNPT違反か?(6)「核の傘」は破れ傘か?(7)核共有は「安全」?それとも「危険」?第二章 核軍縮の流れは断ち切られた(1)核の「復権」遠のく「核なき世界」(2)瀬戸際を迎えた核軍縮(3)核軍縮を阻む米中露(4)ABM条約離脱が招いた軍拡競争(5)本格化する宇宙戦争第三章 ロシアの弱さが核に向かわせる(1)プーチン大統領の核威嚇(2)ロシアが核に頼るわけ(3)危ういロシアの核理論(4)ロシアは核を使うのか?(5)ベラルーシとの核共有(6)ウクライナとブダペスト合意(7)米露蜜月が終わった訳第四章 核の闇市場を探る(1)核拡散とスパイの役割(2)イランの核問題(3)イランは核武装するのか第五章日本を脅かす核保有国の現在地(1)登場した核サイロ(2)中国の新型核兵器(3)台湾有事と日米(4)切り札のAUKUS(5)連携深める中露両国(6)北朝鮮核開発史(7)北朝鮮の核戦略第六章 原発も「復権」(1)地球温暖化対策とウクライナ侵攻がきっかけ(2)野心的な原発整備計画(3)日本も原発回帰(4)注目のSMR炉(5)原子力でも脱ロシア(6)原発の脆弱性が浮き彫りに