新刊紹介

2024年3月27日

ヒロシマを記録した元毎日新聞記者 冊子「関千枝子の足跡を追って」を発行

 関千枝子さんが、2021年2月21日に88歳で亡くなって3年になる

 今年、女性史研究者の江刺昭子さんが、主宰の「史の会研究誌~未来へ、伝え続ける」第7号(2024年2月刊)に「関千枝子、いつも問題意識を抱えて」との論考を掲載した。同誌は自費出版で、部数も会員数程度と聞いていたので、関千枝子評伝の決定版といえる本稿を冊子にしてより広く多くの人の手に渡るよう願った。

 相前後して、高校1年生の時にヒロシマで関さんと出会って以来、関さんの取り組んだ活動を追ってきた映像コーディネーターの堀池美帆さんが、ヒロシマでの高校生らを対象に行っていたフィールドワークの映像を記録としてブログにアップしていることも分った。

 そこで江刺さんの論考と堀池さんのブログ紹介の2つから構成する冊子となったのがこの「関千枝子の足跡を追って」である。(A5判、100頁)

 江刺さんは、「屹立した精神でエネルギッシュに走り続け、闘い続けた関さんの88年の生涯を次のように分けた見た」として、以下のようにまとめている。

① 大阪で生まれ、広島で被爆して、早稲田大学を卒業するまで。

② 毎日新聞記者を経て、夫の渡米につきそい、三人の子育てに専念した専業主婦時代。

③ 帰国して、横浜で図書館運動やPTA活動に奔走した市民運動期。

④ 離婚して、全国婦人新聞記者として女性問題に取り組みながら広島に通い、代表作となる『広島第二県女二年西組 原爆で死んだ級友たち』を世に問うた激走期。

⑤ 新聞記者を辞めてフリージャーナリストになり、原爆問題や平和運動に身体を張って取り組み命尽きるまで。

 今回の論考は、①から④までで、⑤は他日を期したいとしている。

 堀池さんの「ブログ『関千枝子さんの記録』から」は、関さん55歳の時にラジオ出演した際の音源、広島平和記念資料館の「被爆者証言ビデオ」で公開されている関さんの証言などとともに、堀池さんが撮影した関千枝子さんのフィールドワークの記録など、貴重な映像を紹介している。

 序文は、40年前から8月6日をはさんで広島で活動している元高校教師の竹内良男さんにお願いした。竹内さんは、2016年から「ヒロシマ講座」を主宰し、「ヒロシマ通信」を発行しているが、3月25日現在で2,683号にもなっている。この「ヒロシマ通信」で、本冊子を紹介してもらい、4月10日で集計して発注。1000円(送料込み)で希望者に届ける予定。

 ご希望の方は、福島清() までご注文を。

(福島 清)