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2024年3月18日

カトリック成城教会で講演する佐々木宏人さん82歳



 65年入社、元経済部長・中部本社代表の佐々木宏人さん(82歳)が元気だ。国指定の難病「遠位性ミオパチー」を患い、車イスの生活だが、「内臓はきれい。20年から30年大丈夫ですよ」と主治医の女医さんからいわれたという。「30年といったら110歳ですよ!」って大笑いしたというのだ。

 2006年に洗礼を受けた。洗礼名ペドロ。敬虔なクリスチャンである。

 17日(日)東京・カトリック成城教会の聖堂で「平和の使徒 戸田帯刀(たてわき)横浜教区長の殉難の生涯」を講演した。

 戸田神父は、敗戦3日後の1945年8月18日夕、横浜市保土ケ谷区の保土ケ谷教会内で憲兵に頭部を撃たれ、射殺された。享年47。

 「日本のカトリック史の中で、公権力による最後の殉難者」であった。

 《事件から12年後、教会を訪れて犯行を自白した男はその罪を問われることなく立ち去る。その背後には、戦争協力の責任追及を恐れる教会上層部の‟不都合な真実"があったのではないか――》

 その著『封印された殉教』上下(2018年フリープレス社刊)は、取材を始めてから10年がかりでものにしたものだ。イトコの児童文学者末盛千枝子さん(彫刻家舟越保武の長女)からは「あなたはこの本を書くために神様に呼ばれたのよ!」といわれたという。

 戸田神父は、旧喜多見教会初代主任司祭。喜多見教会は、この成城教会に合併されており、同教会の信徒会館に写真が掲げてあった。

 佐々木さんの講演は、「四旬節特別講話」として行われたもので、同教会の主任司祭山本量太郎神父をはじめ信者ら150人ほどが聖堂を埋めた。

(堤  哲)