随筆集

2017年7月19日

25日の都市対抗野球決勝は小池百合子都知事が始球式

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前年優勝のトヨタ自動車から黒獅子旗の変換を受ける丸山昌宏毎日新聞社社長

 ちょうど90年前に始まった都市対抗野球大会。ことしは第88回を迎え、7月14日に東京ドームで開幕した。参加32チーム。優勝戦は25日午後6時からだ。始球式は東京都知事小池百合子さんだ。

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開会式でスタンドに向かって並ぶ大会役員
(女性=金子めぐむ総務大臣政務官)
左隣が丸山昌宏毎日新聞社社長

 この大会は、明治神宮外苑に4万人収容の野球場新設(1926(大正15)年10月完成)から始まった。東京日日新聞と朝日新聞に各5千円の寄付が持ちかけられ、それを知った当時の東京日日新聞の野球好きの記者たちが、東京に相応しい一大野球大会を創設しようと企画した。ヘッドハンティングしたのが橋戸頑鉄(1879~1936)だった。

 頑鉄はイの一番で野球殿堂入りしているが、当時は大阪朝日新聞から大正日日新聞の記者をしていた。頑鉄は第1回早慶戦、日露戦争のときにアメリカ遠征したときの早大主将。その著『最新野球術』は、全国のプレヤ―の教科書となった。

 米大リーグを参考に都市対抗野球としたのは、頑鉄のアイデアだった。頑鉄は全国を回って社会人チームに参加を呼びかけた。優勝旗は画家の小杉未醒(のち放庵)に依頼、バビロンのレリーフから黒獅子が生まれた。

 参加12チーム。「暑中でもあり簡素を尊ぶ意味から入場式を省略し」と記事にある。華やかな開会式は夢のまた夢だったのだ。

大会始まりを伝える東京日日新聞夕刊

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昭和2年8月4日付東京日日新聞夕刊から抜粋。
左側の写真(上)西久保市長の始球式、下が観客

(堤 哲)