随筆集

2021年2月12日

ロッキード事件から45年 — 岩見隆夫・才木三郎記者の追憶

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岩見隆夫さん

 ロッキード社の秘密代理人児玉誉士夫に21億円——。米上院チャーチ委員会(外交委員会多国籍企業小委員会)から持ち込まれたロッキード事件。1976(昭和51)年2月5日だった。それからことしで45年である。

 「児玉を捜せ」。毎日新聞社会部で、最初に等々力の児玉邸へ向かったのは、澁澤重和(当時36歳)と堀一郎(2019年没78歳)だった。澁澤は、この事件の社会部取材班の事務局長として、紙面企画、予定稿の作成、取材費の予算要求まですべてを仕切ることになる。

 「児玉さんはご在宅ですか」

 「いません。地方に行っております」(『毎日新聞ロッキード取材全行動』講談社77年刊)