随筆集

2022年9月9日

元西部本社編集局長、篠原治二さんから、茫々記「吉展ちゃん事件」異聞・番外

 吉展ちゃん事件のときの警視庁クラブのメンバーが、堀越章さんの原稿の最後にあった。当時の年齢を入れて、再掲すると——。

 ▽キャップ:道村博(当時42歳、2002年没79歳)
 ▽捜査一・三課・鑑識担当:堀越章(33歳)・小石勝俊(27歳)
 ▽捜査二課:桜井邦雄(36歳、1988年没59歳)・今吉賢一郎(28歳)
 ▽捜査四課:寸田政明(36歳、2003年没74歳)
 ▽公安・警備:森浩一(30歳)・原田三朗(30歳、2017年没82歳)
 ▽防犯:篠原治二(34歳)
 ▽交通:鳥井守幸(33歳)

 皆さん若かった! 57年前だから当然か。

 元西部本社編集局長・篠原治二さん(91歳)にメールで知らせると、以下の返信があった。

 ——RKB(元社長)の永守良孝君から小原保事件を堀越さんが書いていますよ、と電話があり、ホームページをあけてびっくりでした。さつそく、堀越君には手紙を書きました。

 森浩一さんの社会部回想記も、楽しく読ませてもらいました。

 寸ちゃん(ぼくより年上ですが、ほぼ同期入社です)は、思い出たくさんです。ネタとり名人で、おそらく日本最強の事件記者と思います。

 警視庁担当は、ぼくより1年ばかり早く、かれからマル暴取材を引継ぎました。そうした関係で、夜回りの哲学みたいなこと(寸田流は、まず夕方になると、ばりっと糊の効いたYシャツに着替えたこと。相手の刑事に最高の敬意を表した)をいろいろ教わりました。人たらしというか、警視庁の名だたる刑事からスパイもどきでマル秘文書をとってきたこともあり、だれもかなわんなぁと思ったものです。

 今吉賢一郎君も懐かしいですね。無口なのに、どうすればネタが取れるのか、警視庁クラブの七不思議。歩く姿は鉄人28号と評されました。

 ところが、数年前、「ゆうLUCKペン」誌でガード下の女について、小説仕立てで書いている文章を読んで、見事に才能を隠していたのだと一驚しました。

 今もそうかもしれませんが、僕たちのいたころの社会部同人には、優れた人たちが一杯いましたね。ぼくは多くの師匠に恵まれたことを感謝しながら、ついつい長く書いてしまいました。

 東京の毎友会ホームページは、紙の社報のころより、はるかに面白くなったと思います。最近は西部の訃報や、近況だよりに場所を貸していただき、感謝申し上げます。

 これからもどうぞよろしく。

シノハラ ハルジ

画像

*ネットを検索すると、篠サンのこんな写真が見つかりました。大分若い感じですが、参考までにアップします。

(堤  哲)