随筆集

2024年4月25日

元事業本部部長職、福島稔さんが、父親の遺品を東京都写真美術館に寄贈

 父一郎は明治39年生まれ、昭和59年に永眠(享年78)しました。

 昨年春、我が家を増改築した際に戸棚の奥から父が大切にしていた写真機材=写真=を発見しました。父はカメラマンで、昭和8年から昭和33年ごろまで新宿区柏木(現在西新宿)で写真館を営んでいました。私は中学生時代に父に連れられて、着飾った親子の「七五三記念撮影」に近所の神社に行ったり、「小学校の卒業記念」の撮影に行った記憶があります。

 この機材は昭和初期の貴重なものだと思います。しかし、今となっては、いつ、どのように入手したのか、分かりません。この機材をどうすべきか、少し悩みました。

 我が家に保管しても仕方がないので、売却することも考えましたが、結局、東京都写真美術館(東京都目黒区)に寄贈申請しました。

 その結果、令和6年3月25日付けで小池百合子東京都知事から「東京都写真美術館作品資料受領書」が届きました。文面内容は「この度は、下記の作品資料をご寄贈いただきましてありがとうございました。本都の所蔵品として永く大切に保存し、都民をはじめ公共の福祉のために活用してまいりたいと存じます。御厚意のほど、心から厚く御礼申し上げます。」でした。

作品資料名 野外撮用機材(木製組立暗箱、三脚、ソルントン・シャツター)、修整台、金属整組立暗箱(ズイコーレンズ付き) 数量 3点  以上

 公共施設に寄贈したので父も草葉の陰で喜んでいるような気がします。

 今度、東京都写真美術館に行ってみようと思っています。

(福島 稔)

 福島稔さんは1945年生まれ。1965年車両部、1968年編集事務部、1975年事業本部、1985年事業本部副部長、1994年事業本部部長職企画委員、1997年メデイア総合企画室委員、2001年事業本部企画室委員、2004年繰り上げ定年退職