2025年1月6日
米「The Sporting News」最新号に署名記事が載った!
小座野容斉(89年入社、元写真部・デジタルメディア局ディレクター)
米国最古の歴史(1886年創刊)を持つスポーツメディア「The Sporting News(スポーティング ニュース)」が選んだ、全スポーツを通じた2024年の年間最優秀アスリート(男子)は、MLBドジャースの大谷翔平選手でした。
その授賞記事で、4人の米国人記者と一緒に、2024年シーズンの大谷選手について短いコラムを書かせていただき、それが米国版「The Sporting News」に署名&プロフィール入りで、2024年12月31日に掲載されました。大変、光栄な話であります。
私以外の4人はケン・ローゼンタールさんやタイラー・ケプナーさんなど高名な方々ばかり。特にローゼンタールさんは、米国のMLB専門記者のベスト・オブ・ベストと言っても良いような凄い記者。そのような人々と、自分が同列でコラムを書いてしまったことは本当に驚いています。
2023年から仕事をしているスポーティング ニュース日本語版の業務の中で、2024年は大谷選手のゲーム速報を多数担当しました。「50-50」を達成した、9月のマーリンズ戦など節目のゲームも速報しました。
私の本来のフィールドはアメリカンフットボール。MLBは傍観対象でした。2024年は、それが変わって、メーンの業務になりました。本当にいろいろなことを学びました。野球については専門ではありませんが、アメリカンスポーツを見る視点は持っていたつもりで、それも役には立ったと思います。
とはいえ、それは「こたつ仕事」です。現場に行っているわけではありません。私も、可能であれば、現場に行って撮影・取材をしたい。ですが、それは求められていない。この場だから書きますが、残念ながら、大半のウェブメディアは現場に記者を送り込むだけの費用を支払う余裕がありません。
というよりは、スポーツ専門メディアにその対価を支払うネットユーザーがいないと言ったほうが適切かもしれません。DAZN(ダゾーン)のような、オンラインサブスクリプションサービスの発達で、どんな競技、どんな試合の動画でも見られる。youtubeにも、さまざまな動画がアップされる。
「メディアは基本的な情報さえ発信してくれればよい」という時代です。米国の高名なスポーツ深掘りメディア「ジ・アスレチック」でさえも、ニューヨークタイムズの傘下になって、安定したというように見えます。
仕事のスキームとして、「こたつ」が決まっている。それが現実です。なので、一層、工夫と、情報収集に努めました。事実関係の確認にも神経を使いました。書いてはならないこと、書いても良いことを常に考え続けました。
今回のコラムのオーダーが来た時に、直ぐに頭の中にアウトラインが浮かび、2時間で書き上げることができたのは、自分の頭の中にその蓄積があったからでした。
そういう1年間の、大晦日に、この記事が米国で掲載されたのは、自分にとっても一つの象徴的な出来事だったと思います。
2020年2月、自身の毎日新聞退社と、世界を闇で覆った新型コロナ感染の始まりがほぼ同時、あれから間もなく5年です。あの時、予定していた仕事は、ほぼすべてなくなりました。世界が大混乱していたあの頃は、自身にとっても、非常に厳しい時代でした。
毎日を退社した年齢が年齢だったこともあり、特に収入面では非常に苦労が多い状況でしたが、少しずつ好転はしています。
2月で61歳になりますが、自分には、のんびりとした余生など似合わないと分かっています。これからも、仕事を続けて、少しでもレベルアップしていこうと考えています。
1月17日にはオフィシャルを務めているアメフトチーム「富士フイルム海老名Minerva AFC」の写真展が、東京・六本木の富士フイルムスクエアで開催されます。
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英文の記事を読んで下さい。書き出しは、こんな具合です。
In Japan, manga is recognized as a cultural staple, enjoyed not only by children but also by university students and adults. Among the many genres, baseball manga has a long-standing history of over 60 years, with classics like The Star of the Giants, Dokaben, and MAJOR being household names. Fans of these stories often draw comparisons, saying, "Ohtani has taken the concept of a manga hero and brought it to life."
筆者紹介:Yosei Kozano A member of the Japan Sports Press Association, Yosei graduated from Waseda University and joined The Mainichi Newspaper in 1989, covering professional baseball and other sports during a 36-year career. Passionate about American football, he covers around 70 games annually and writes extensively on the sport. Since leaving The Mainichi in 2020, he has contributed to American Football Magazine and published the NFL Draft Candidate Directory annually since 2021. In 2023, he became an assistant editor for the Japanese edition of The Sporting News.
写真展の案内にある小座野容斉(こざのようせい)さんの紹介文——。
日本スポーツプレス協会(AJPS)会員。東京都出身、早大卒。1989年毎日新聞に入社、写真部のカメラマンとして、春・夏の高校野球、プロ野球、ラグビーなどを撮影。
デジタルメディア局に異動後は、ニュースサイト編集の傍ら、格闘技、フィギュアスケート、モータースポーツも撮影してきた。アメリカンフットボールは、個人のライフワークとして、トップリーグの「Xリーグ」を中心に年間約70試合を撮影・取材している。
2020年毎日新聞退社後は、ウェブ「アメリカンフットボール・マガジン」で記事掲載。yahoo!などにも配信。また、2021年からは毎年4月に発行される「NFLドラフト候補名鑑」出版に携わる。2023年からは米国の「スポーティングニュース」日本版でアシスタントエディターとしても活動中。
写真展は2月6日(木)まで六本木の東京ミッドタウン1Fフジフイルム スクエアで。アメリカンフットボール最高峰リーグX1 Superで撮影した25点が展示される。入場無料。