2025年6月24日
「徒歩3分、帰りは8時間」の毎日—福岡本部移転に思う

「別館」(私の住居、青いネオン)と那珂川

福岡本部(右側のビル)と筆者

くまモンと名刺交換
中洲に住み、天神に通勤する。西部本社福岡本部移転の社告をみて、こんな夢のような2年間を思い起こしている。
九州一の情報発信地・天神の東端、那珂川沿いに毎日福岡会館はあった。天神橋を渡ると西日本一の歓楽街・中洲だ。
編集局長として2度目の福岡勤務となった2017年当時、自宅はこの橋から20㍍ほどの「福岡本部から最も近いマンション」で、福岡本部の会議室からよく見えた。朝は徒歩3分だが、帰りはとてもそんな時間ではたどり着けず「行きは3分、帰りは8時間」という日々だった。
私の部屋、306号室は飲み会の2次会で使われるなど出入りは自由で、デスクたちが「福岡本部別館」と名付けた。記者だけでなく営業、販売、事業の後輩たち、時にはRKB毎日の幹部も集い、研修の際に泊まった新入社員もいた。遊軍長はいつも世話役で冷蔵庫の中まで把握しており、飲み物やつまみを差配する「支配人」と呼ばれた。仕事場の「本館」とともに西部本社の一体感、風通しの良さを象徴する空間だった。

「ある日の宴会」。むろん別館で。左の上が「支配人」の遊軍長、中村敦茂君
6月9日、福岡本部は中央区天神から博多区中洲中島町に移転した。博多っ子は荒っぽいが根が優しく、気っ風がいい。移転には正直、寂しさも感じるが、期待の方が大きい。
西部本社は小倉にあり、博多とはまた違った荒っぽさと優しさがある。本社と福岡本部の2拠点は、絶妙な競争意識を持ちながら西部本社の活力を生んできた。これから刻んでいく新たな歴史を見守っていきたい。
(山本 修司)
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山本修司さんは、86入社。千葉支局、西部報道部、横浜支局長、社会部長、西部本社編集局長、西部本社代表などを歴任。2024年6月から毎日新聞出版(株)社長。