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2025年2月26日

続「ゆうLUCKペン」出版記念・ゾロ目の倉嶋康さん92歳

 [酒は一合 もの書き一生]2月23日Facebookに投稿

 昨日は久し振りで東京・竹橋にある毎日新聞本社に行ってきました。自宅がある神奈川県から乗り換えを入れて片道2時間は若い頃と違って足にこたえます。九段下での乗り換えなどは向かいのホームまで行くためエレペーターを使おうとするとうんと回り道をしなくてはなりません。

 仕方なくいつも付き添ってくれる妻と手押し車を持って階段を一段ずつ休み休み降りていたら、人ごみの中から若い男性2人が飛び出してサッと車を持って向かいのホームまで運んでくれました。その鮮やかで温かいこと。オレは若い頃あんなこと出来たかな?

 本社に行ったのはOB社員の同人誌「ゆうLUCKペン」の47集発刊祝賀会のため。誰しもがもともと書くことが大好きで入った新聞記者の道です。定年後も名文でも駄文でも、なんでもいいから書きまくれと始めたこの同人誌は、同社が以前あった有楽町にちなんで題名がつけられました。

 内容は在社中の思い出、特ダネ秘話、老いての人生観・社会観など種々雑多。いずれも元記者たちが書くだけに、読みやすく読み応えあり。だからでしょう、創刊号から国会図書館に収蔵されているのです。

 年金生活の皆が出し合った金で作っているので内情は苦しい。会員は、金は出し渋るが口は出す。苦労する幹事がなんとか50集まで出しますと挨拶すると、即座に「せめて55集まで出そう」との提案が出るといった塩梅。

 だからこそ年一回発刊される度に開かれる祝賀会は楽しみの一つ。ロートルが多くなって僅かの酒でもうメートルが上がる。一人ずつが述べる短い挨拶はなかなか鋭く、今号の感想、若い記者への批判、国際問題の考察など多士済々。

 え?私ですか。ごく簡単です。「私は1933年に生まれました。55年に毎日入社、77年に筏に乘って日本までの漂流取材、88年に定年退社したので『ゾロ目のクラ』と呼ばれています。同人誌55集まで生きて書きたいのですが、その時は100歳なのでどうかご支援のほどを」。

 倉嶋さんは、どこへ行くのも夫婦同伴です。

 奥さま(伸さん)の若い時の写真を倉嶋さんがFacebookにアップしています。

福島地裁のマドンナ
新婚旅行志賀高原で

 添えられた記事——。松川事件取材のため熱心に福島地方裁判所に足を運んでいて、1人の女性と知り合ったのです。ちょうど毎日新聞福島版で「はたちの春」というタイトルの連載をすることになり、支局員が1本ずつ書くことを割り当てられたので、その女性をターゲットにしました。

 その後、お茶に誘ったりしているうちにすっかり惚れてしまい……。
とノロケています。

(堤  哲)