2025年3月26日
東京毎友会定期総会で河野俊史新体制がスタート
直木賞作家の逢坂剛氏が記念講演


逢坂剛氏

東京毎友会の第73回定期総会・懇親会が3月24日、東京・内幸町の日本プレスセンター10階「レストラン アラスカ」で開催された。役員人事で石井國範会長の後任に河野俊史氏(元常務)が就任し、河野新体制がスタートした。この日は東京地方に桜の開花が発表されたこともあり、会員ら100人以上が参加し、大いににぎわった。
総会は関口英明運営委員の司会で始まり、物故会員65人に黙とうをささげた。この後石井会長があいさつに、河野氏に後任を託したことなどに触れ「これからもお付き合いをしてほしい」と結んだ。
会員の拍手で新会長に承認された河野氏が登壇し「荷が重いが、皆さんの協力で頑張っていきたい。(毎日新聞社の)身近な応援団として後方支援していきたい」などと抱負を述べた。さらに新相談役に角江慶輔氏(元執行役員)、2025年度運営委員10人がそれぞれ会員の拍手で承認された。中原和昭運営委員が会計・会務報告を行った。
来賓の松木健社長は「精一杯がんばるので力強い支援をお願いしたい」とあいさつした。
石井氏は16年10月に会長に就き、会の発展に貢献した。最後に花束が贈られ、会場から大きな拍手がわいた。
総会・懇親会に先立って恒例の記念講演会が行われ、直木賞作家の逢坂剛氏が「ご機嫌剛爺 人生は面白く楽しく!」と題して1時間余りにわたって熱弁をふるった。この中で「年を取ってからも新しいことをやる気持ちが大事だ」などと高齢世代にエールを送った。
逢坂氏は1943年、東京生まれ。中央大学卒業後、大手広告会社の博報堂に勤めながら作家デビュー。87年に「カディスの赤い星」で直木賞を受賞した。多趣味でも知られ、独学で覚えたギターはプロ並みでクラシックからフラメンコまでこなす。
逢坂氏は小さいころから本に親しんだことに触れ「当時は読書しかなかった。本を読むことから始まった。小さいころから作文が好きだった」「イソップ、グリム童話には物語の素が詰まっている。短編だが起承転結がある」「本は何回読んでも新しい発見がある。本との出会いが人生に役立った」などと述べた。また、趣味についても「勉強の他に何かやったことが人生を豊かにしてくれた」と効用を強調した。
作家生活を振り返り「年を取ると肉体的、精神的に衰えを感じる。(しかし)文筆を志したころの気持ちが残っている。気持ちを持ち続けることが重要」「寄り道をしたが、最終的に作家になり幸せだったと思う」などと語った。さらに「自分の好きなことを生涯突き詰めていってほしい」「自分の仕事以外に楽しめる時間を持つことが大切」などと訴えた。
最後に「小説を書くのに年は関係ない。小説を書きたい人がいたらコツを教えてあげる」と呼びかけ、場内の笑いを誘った。
懇親会は立食形式で行われ、角江氏の乾杯で始まった。北村正任、朝比奈豊元社長、丸山昌宏前社長の他、逢坂氏も加わった。久しぶりに会う会員同士で写真を撮りあうなど歓談は終了時間ぎりぎりまで続いた。


東京毎友会運営委員 小田原吉伸=写真は元写真部 橋口正さん撮影=
定期総会・懇親会開催記録
- 第73回定期総会 2025年(令和7年)3月24日 開催記録
- 第72回定期総会 2024年(令和6年)3月25日 開催記録
- 第71回定期総会 2023年(令和5年)3月23日 開催記録
- 第70回定期総会 令和元年10月21日 開催記録
- 第69回定期総会 平成30年10月30日 開催記録
- 第68回定期総会 平成29年11月15日 開催記録
- 第67回定期総会 平成28年10月28日 開催記録
- 東京毎友会合同懇親会 平成28年6月30日 開催記録
- 第66回定期総会 平成27年10月29日 開催記録
- 東京毎友会合同懇親会 平成27年6月30日 開催記録
- 第65回 定期総会 平成26年10月28日 開催記録
- 東京毎友会合同懇親会 平成26年6月30日 開催記録
- 第64回 定期総会 平成25年10月30日 開催記録
- 東京毎友会・旧友会合同懇親会 平成25年7月3日 開催記録
- 第63回 定期総会 平成24年9月26日 開催記録
- 毎友会・旧友会合同懇親会 平成24年6月29日 開催記録
- 第62回 定期総会 平成23年10月25日 開催記録
- 毎友会・旧友会合同懇親会 平成23年6月28日 開催記録
- 第61回定期総会 平成22年10月29日 開催記録
- 毎友会・旧友会合同懇親会 平成22年6月29日 開催記録