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2017年10月23日

「土太郎村」に土壁の家

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 写真は、OB中島健一郎氏の自宅である。2017年度「日事連建築賞」(日本建築士事務所協会連合会)の優秀賞に輝いた。

 「版築のいえ」。版築とは土壁のことで、写真の中央から突き出ているのが版築。厚さが1.2メートルもある。高さ2メートル。この写真は、玄関の反対側からだが、玄関を入ってすぐのところから、ピアノのあるホールとダイニングキッチンを分けて、建物の外まで突き出している。

 両側に開いているのは厚さ70センチの土壁。建物の両脇も同じ土壁で、版築の壁が1本と、土壁4本が基礎となって、その上に木造のシャレた家が建っている。

 土壁は横方向に弱く、その補強のために竹を使っている。鉄筋コンクリートでなく、全く自然素材の「竹筋土造り」である。冬暖かく、夏涼しいのが、特徴である。

 「土太郎村」。市原市南部の高滝湖から車で数分。緑深い自然の中、敷地面積約10万坪の広大な「村」の建設工事が急ピッチで進んでいた――。

 これは朝日新聞千葉版の2017年元日紙面の書き出しである。

 〈テクノロジーの発展やライフスタイルの変化で、私たちの未来はどうなっていくのか。20XX年の未来予想図をシリーズでお伝えします〉の連載第1回。

 土太郎とはこの地の字(あざ)名だだが、目指すのが、エネルギーを自前でまかない、自給自足の生活をする「サステナブル・ヴィレッジ(持続可能村)」。太陽光パネルは4・3メガワットの発電が可能で、水力発電も計画している。

 すでに木造住宅が50戸が建ち、将来は130戸ほどに増えて、「土太郎共和国独立宣言」をしたい、と村長さんの中島健一郎さん(72歳)はいっている。

 ちなみに中島氏は、元社会部長、事業本部長から常務取締役を務めた。

(堤  哲)