2018年2月19日
東京夢舞いマラソン・ポタリング記念誌『笑顔の年輪』
25日に東京都心を走り抜ける東京マラソンは、2007(平成19)年から始まった。ことし12回目だ。
ボストン、NY、ベルリン、ロンドン……。「世界の大都市にあって日本にないのは、市民に開かれた首都マラソン大会」。毎日新聞OBの大島幸夫さん(80歳)が、その実現に向けて第1回「大江戸夢舞いマラソン」を実施したのは2001年1月1日だった。21世紀の初日、お台場海浜公園→代々木公園の42.195㌔。もっぱら歩道を走り、赤信号はストップだ。
翌2002年1月に第2回を開いた後、銀座目抜き通りを走る市民マラソンの実現に向けて、のシンポジウムを開くとともに、大島さんを理事長に市民による市民のためのNPO法人「東京夢舞いマラソン実行委員会」が立ち上がった。そして10月の第3回は市民ランナー1000人が四ッ谷から都心の目抜き通りを走った。
東京都の石原慎太郎都知事が乗り出してきたのは、それからだ。第7回東京夢舞いマラソンは、「祝東京マラソン開催」をキャッチフレーズに、女性の完走者には赤いバラ、男性には白い羽根をプレゼントした。
これでNPOは初志の使命を果たしたことになるが、参加者の根強い人気で大会は現在も続き、JKA後援の第9回大会からは自転車も参加するポタリング(自転車での散歩)大会を併せて開催している。
2013年、第26回ランナーズ賞(月刊ランナーズ主催)の受賞を記念して、NPOの広範な市民力で編まれたのがこの『笑顔の年輪』。活動を支えた多くの市民たちの声が快くも熱っぽい。本文156ページ。非売品。ただし、東京夢舞いマラソン・ポタリングNPO(http://www.tokyomarathon.jp/)への賛同寄付者(1口2000円)には各1冊を謝礼進呈している。
大島さんが皇居周回ランナーになったのは42歳の時。サブスリー(フルマラソンを3時間以内で走る)を達成し、世界中の市民マラソンを体験して『市民マラソンの輝き― ストリートパーティーに花を! 』(岩波書店2006年刊)を出版するなどでマラソン文化論を展開している。ことしの目標は、ボストンマラソンを5時間以内で完走だ。
(堤 哲)