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2019年4月13日

藤田恭平さんの追悼記事が朝日新聞に

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掲載された家族提供の写真

 朝日新聞4月13日夕刊「惜別」欄に、「市民の手で」開校運動35年、の見出しで。

 ――千葉県松戸市の公立夜間中学「市立第一中学校みらい分校」が4月16日、初めての入学式を迎える。その開設運動を35年以上にわたり続けてきた「松戸市に夜間中学校をつくる市民の会」の初代代表を務めた。「憲法で保障された教育を受ける権利を市民の手で守る」が口癖だった。

 これが書き出し。毎日新聞を退社したあと、1983年4月に代表となり、塾形式の「松戸自主夜間中学校」を開講した。

 「市民運動の堕落は金にある」と言い、公的助成はいっさい受けなかった。資金繰りはバザーや祭りにたこ焼き店を出して捻出。2012年に代表を退いた後も欠かさず参加して支えた。これまで学んだ生徒は約2千人にのぼる、とある。

 ――趣味は野菜作り。畑で収穫した大根やジャガイモをきれいに洗い、知人や近所に配った。「きまじめで、やることが徹底していた」と長女まゆみさん(64)。「配り役の母は『相手が逆に気を使うから』と嫌がっていましたが……」と振り返る。

 ――両切りたばこのピースをくゆらし、ウイスキーならボトル半分をあけることもあった。90歳を超えてなお、新聞に丁寧に目を通し、大好きな歴史物の本を朝方まで読んだ。

 藤田恭平さんは、3月12日逝去、92歳だった。

 記事に、1月21日90歳で亡くなった妻治永子(ちえこ)さんの後を追うように旅立った、とあった。

(堤  哲)