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2019年10月2日

アスナビ・走り高跳び佐藤凌選手世界選手権出場

 東日印刷の「アスナビ」佐藤凌選手に応援を!

 と、この毎友会HPで訴えたのは、2019年6月27日だった。

 その佐藤選手がカタールのドーハで開かれている世界陸上選手権に出場していた。残念ながら2メートル26をクリア出来ずに予選落ちした。しかし、こえにめげずに「東京五輪を目指す」と決意を述べた、と10月2日付け毎日新聞夕刊に載っていた。

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男子走り高跳び予選で2メートル22をクリアする佐藤凌=カタール・ドーハで2019年10月1日、久保玲撮影

以下、夕刊の記事を紹介したい。

 世界選手権に初めて挑んだ男子走り高跳びの佐藤凌(25)。日本オリンピック委員会(JOC)が実施している選手支援制度「アスナビ」で東日印刷(東京都江東区)に就職し、支援を受けながら、競技生活を続けている。今回は予選で敗退したが、来夏の東京五輪を見据え、「大舞台の雰囲気を確かめることができた」と充実の表情を浮かべた。

 佐藤は高揚感から助走のリズムが狂った。予選で最初の2メートル17は3回目でようやくクリア。次の2メートル22は2回目に跳んだが、2メートル26は3回とも失敗して全体22位で決勝進出を逃す。「楽しかった半面、悔しさがあった」と言う。

 新潟県長岡市出身。小学6年の時、地元クラブで陸上を始め、3カ月後に全国大会の走り高跳びで優勝を飾った。高校、大学でも全国大会で常にトップの座にいた。しかし、東海大4年だった2016年、リオデジャネイロ五輪に出場できず、競技を継続できる就職先を探すため、アスナビを利用することを決めた。

 アスナビは10年からスタートした制度で、就職を希望する選手と企業を仲介し、これまでに297人が職に就いた。佐藤も数社の中から、遠征費を全額補助するなど支援が手厚い東日印刷を選んだ。同社は1952年創業で初のスポーツ選手の採用ではあったが、佐藤裕正・人事部長(47)は「目力の強さを感じた。話も上手で引退後も会社の中枢になってくれる」と正社員での受け入れを決定した。

 17年春の入社直後、佐藤は海外遠征で踏み切り足の左足首を疲労骨折。大会では結果を残せず、週1回の出勤時に気まずさを感じていた。ところが、同僚から「無理しなくていい。本番は東京五輪」と言われ、気まずさは消えた。焦らずにリハビリにも取り組むことができた。故障が癒えた18年から調子を上げ、今年7月の大会で3年ぶりに自己ベストを更新する2メートル27をマーク。世界選手権の代表入りを果たした。

 シーズンオフには会社の近隣の学校での講演などを行うほか、出社の際は来客の対応もして「人生経験でプラスになっている」と感謝する佐藤。「(東京五輪に出場すれば)いろいろな方が応援しに来てくれる。いい結果を報告できるように頑張りたい」と誓った。

(小林悠太)