2020年2月6日
幻の名著『野球博覧』に光!
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整理の鬼才諸岡達一氏らが精魂を込めて2014年に自費出版した『Baseball Tencyclopedia野球博覧』(A5判、本文415ページ)が、5日付け東京スポーツ紙で紹介された。
元NTVアナウンサー越智正典さん(91歳)の連載コラム「ネット裏」。山口俊投手がブルージェイズ、筒香嘉智外野手がレイズ、秋山翔吾外野手がレッズへと大リーグに移籍したが、越智さんはその3球団の紹介を「野球博覧」の「大リーグのニックネーム その由来の考察」松崎仁紀(03年紙面審査副委員長で退職→東日印刷)から引用、同時に『野球博覧』を紹介している。
越智さんといえば読売ジャイアンツ。1974(昭和48)年10月14日の長嶋茂雄の現役引退試合(対中日戦、後楽園球場)では、試合後の共同記者会見を担当した。運動部長を最後に1975年退社。その後、野球評論家・スポーツライターとして、今なお活躍中だ。
経歴を調べたら早大政経学部を卒業して、1951(昭和26)年NHKへ入局。NTV開局に伴い54年に移籍、以来スポーツ中継の実況アナウンサー、とりわけジャイアンツの中継で名高い。
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ここで『野球博覧』をもう少し宣伝したい。毎日新聞の野球好きの論説委員・編集委員らが結成した草野球チームが「大東京竹橋野球団」。1983(昭和58)年創設で、結成30年を迎え、選手も高齢化したことから記念誌を発行して解散を決議した。
で、「野球文化學會」を創設した諸岡達一さんが実質的な編集委員長となって、2014年2月3日に発行、同日、毎日新聞社内の毎日ホールで「創設30周年」の記念パーティーを開いた。
今その記念写真を見ると、慶應義塾大学名誉教授の池井優、同野球部63(昭和38)年度キャプテンの西岡浩史、松竹ロビンスオーナー家の三代目田村駒治郎らの来賓、元スポニチ社長・会長の牧内節男、同森浩一さんら、往年の名?迷プレーヤーが笑顔で収まっている。
鬼籍に入った人も少なくなく堀井淳夫、四方洋、「不動の一塁手」原田三朗、球団歌を作詞した尾崎三千生、影山信輝、主務を長く務めた堀一郎。
パーティーの最後まで残った68人が写っているが、サントリー、東京ガス、損保ジャパン(旧安田火災)とお相手をしてくれたチームの選手らもいる。
『Baseball Tencyclopedia 野球博覧』は、非売品としていたが、実際は頒価@1千円で希望者にお分けした。その後、残部を野球ブックフェアにも出品した。
その際の内容紹介は以下だ。
①謎多きベースボールの起源をまったく新たに解明した米書(Baseball in the Gardenof Eden=2011年刊行)を本邦初翻訳して9人9イニング90フィートに至る細部経緯を分析した。
②明治20年代における本格野球報道の嚆矢とした新聞紙面の筆者と記事詳解。
③大正9年~昭和4年、日本中はおろか渡米して野球を探求・実施してファンを沸かせた「大毎野球団」はプロ同然だった真実。
④日本職業野球揺籃期から戦後にかけて球趣を躍動させた数奇な人物伝。
⑤セ・パ2リーグ制を確立させた昭和24年野球界の仔細なインサイドストーリー。
⑥終戦直後の野球少年民主主義社会において、焼跡三角ベースで育った熟年草野球メンバーが独断と偏見に満ち満ちて身勝手に綴った利己主義的……近代文化史に通じる野球書。
ごく僅かですが残部があります。希望者に@1.000円でお譲りします。
申し込みは堤哲まで。tsukiisland@gmail.com
(堤 哲)