2020年4月20日
医療崩壊は間の抜けた医療行政のツケ
中安「濁水かわら版」の医師不足の指摘を、4月20日夕刊コラム「見上げてごらん」で永山悦子記者が「医療崩壊、本当の心配」と杞憂している。
コラムを引用する。
《日本の医師数は、経済協力開発機構(OECD)の平均より13万人も少ない。1982年に「将来は医師過剰時代になる」として医学部の入学定員を抑制する閣議決定がされ、定員削減が2008年まで続いたことが背景にある》
中安さんが訴えた「失われた27年」である。その間ひたすら医学部入学定員を減らしてきた。医療現場はどうなっているのか。
《日本の病院で働く勤務医たちの働き方は過酷だ。全国の勤務医の4割(8万人)が過労死ラインとされる年960時間(月80時間)以上残業し、そのうち2万人は年1940時間以上も残業している》
《そこへ降りかかってきた新型コロナウイルス》
永山記者は、こう訴える。
《今、あらゆる病を持つ人の医療が危機にさらされている。医療機関への人・モノ・カネという具体的な支援が急務だ。そして、この感染禍を乗り切ったあかつきには、医師不足の解消を「一丁目一番地」の課題としてほしい。気合で危機を乗り切るような綱渡りの医療は続けるべきではない》
中安さんは「臨床医減少のツケが病院と高齢者施設へ」しわ寄せされていることを指摘している。さらなる続編に期待したい。
(堤 哲)