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2020年6月2日

「アサヒカメラ」に掲載された写真

 日本最古のカメラ誌「アサヒカメラ」が創刊94年で休刊——2日付各紙朝刊が報じた。

 版元の朝日新聞出版は、2020年7月号(6月19日発売)をもって休刊を発表し、休刊の理由に「コロナ禍による広告費の激減」をあげ、「これ以上維持していくことが困難となり ました」と説明している。

 広告収入の激減の前に、販売部数の落ち込みがあった。2006年4万0482部、10年3万1346部、14年2万1159部、18年1万6573部(日本ABC協会調べ)とここ10年余で半減して いる。

 「アサヒカメラ」は、1926(大正15)年4月創刊。日本最古の総合カメラ誌を看板にしていた。

 木村伊兵衛写真賞は引き続き、朝日新聞社及び朝日新聞出版が共催する。土門拳賞が「カメラ毎日」が1985年4月号で休刊したあとも継続されているように。

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毎日新聞1969年10月14日夕刊対社面

 「アサヒカメラ」に、私が撮影した写真が掲載された。原稿料として1万円もらったことを憶えている。

 国会図書館のデータベースで調べると、1969年12月号の「写真批評・話題の写真をめぐって」。その248ページに「わずか二人の教室も/堤哲」とある。

 これがその写真である。

 70年安保の前年。東大や日大で始まった学園紛争は高校に波及して、東京都立青山高校で全共闘の生徒たちが学園封鎖ロックアウトをした。

 青山高校の所在地は渋谷区。渋谷警察署の管内で、3方面記者クラブの担当だった。クラブ員は、連日「あおこう」に通った。

 写真は、1カ月ぶりに授業が再開された日の3年5組の教室。授業を受ける生徒は2人。ガランとした教室。机やイスは封鎖のために運び出されているのだ。

 この報道写真を「話題の写真」として審査員が取り上げてくれた。感謝!である。

(堤  哲)