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2020年7月6日

宝物は毎日ファッション大賞のクリスタルトロフィー

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読売新聞7月6日朝刊13面から

 ——手にするクリスタルガラス製のトロフィーは美しくきらめき、地球儀の柄が刻み込まれている。40歳だった1991年、世界的なデザイナーの登竜門「毎日ファッション大賞」を受賞した時に贈られたものだ。

 ファッションデザイナー・ドン小西さん(69歳)が「毎日ファッション大賞」のトロフィーを手にした写真が7月6日読売新聞朝刊くらし面「たからもの」にあった。

 見出しは《「俺はできる」自信くれる》。

 「毎日ファッション大賞」は、毎日新聞社が創刊110年を記念して、1983年に創設した。大賞受賞者は、第1回から川久保玲、三宅一生、高田賢三、山本耀司……。

 ドン小西さんの大賞受賞は、第9回だった。記事にこうある。

 《がむしゃらに服作りに取り組む中で受賞したのが毎日ファッション大賞だ。トロフィーに刻まれた地球儀を見ると「もっと世界に飛躍しなさい」と背中を押されているような気がして、ニューヨークやロンドン、ミラノなど世界各国でショーを開催。鮮やかな色の組み合わせ方が評判となり、「色の魔術師」の異名を取った》

 《トロフィーは、自宅アトリエのアンティークのキャビネットに飾っている。落ち込んだ時、自信をなくした時、経営面で困難に直面した時……。このトロフィーが「俺ならできる」という気持ちを奮い立たせてくれてきた》

 《秋に古希を迎えるが、服を作ったり着こなしのアドバイスをしたりと、全力で仕事に取り組む。「トロフィーが人生のモチベーションを上げてくれた。まだまだ新しいことに挑戦したい」。トロフィーの重厚なクリスタルガラスの向こうには、活力あふれる瞳が輝いていた》

 ドン小西さんは、週刊朝日でファッション・チェックを連載している。女優から政治家まで、安倍昭恵さんにも辛口の評を送った。トランプ米大統領のファッション・チェックもしたことがある。

 「ファッションにはその人の内面が現れる。僕はファッションを見れば人となりが分かるし、90%当たる」と言っている。

 ファッションデザイナーとしては、31歳で独立。《当初は資金繰りが厳しく、糸屋さんに余り物を分けてもらい、譲り受けた200色もの糸で編み込んだカラフルなセーターが「芸術作品」として話題となり、有名デザイナーに》と毎日新聞の記事にあった。

 毎日新聞は、2022年に創刊150年を迎える。従って「毎日ファッション大賞」も間もなく40年である。

(堤  哲)