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2020年7月22日

「点字毎日」編集長を15年務めた銭本三千年さん

 「点字毎日5000号」7月22日朝刊の記事を見て、「点毎」編集長を15年務めた銭本三千年さんを思い出した。「点毎」が2018年度の日本記者クラブ賞の特別賞を受賞した際、ネットを検索していて銭本さんのブログ【吉備野庵】https://zenmz.exblog.jp/を見つけた。

 即、この毎友会HP「元気で~す」で紹介した。ところが昨年3月からブログが更新されていないのだ。掲載されている最後が「修行に似た食事療法」(3月8日)、「人生終焉への備え…黄昏に輝き始めた残照」(3月6日)。

 健康状態が心配だ。ことし7月19日に91歳の誕生日を迎えるはずである。

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お孫さんが描いた錢本さん(2008年8月)

 銭本さんは、1954(昭和29)年同志社大学法学部政治学科を卒業して毎日新聞入社。71(昭和46)年2月「点毎」編集長に就任。31年勤めた毎日新聞社を定年後、大阪千里ニュータウンから岡山・吉備高原都市へ転居した。高梁市の短大に介護福祉士養成の保健福祉専攻コースを創設し、保健科保健福祉専攻主任教授に就任。新聞記者在職中も大阪市立大学で非常勤講師をつとめ、大学・短大での教職歴は通算25年という。

 「点字毎日」の生き字引といった存在で、「点毎」の発行を促した好本督(1973年没、95歳)、初代編集長中村京太郎(1964年没、85歳)両氏にも直接会って、話を聞いている。

 1955(昭和30)年、3度目の来日をしたヘレン・ケラー女史(68年没、87歳)は、点毎を視察した。入社2年目の銭本さんが取材をした。

 「点字は盲人を暗黒から解放しました。日本の盲人は”点字毎日”で自らの言論を得ました」

 ヘレン・ケラー女史が、「点毎」の意義をこう述べた、とブログに綴っている

 【吉備野庵】は、英文も併記されていて、昨年3月6日の本文は《私も馬齢を重ねて89歳、残り少ない人生…》は——。

I am 89 years old and suddenly have faced multiple health problems in a limited life left. Heart failure was developed in addition to the kidney disease that had previously been afflicted. There is no effective treatment for both. Modern medicine will only prolong deterioration. This fact urged me to prepare for the end of life that I had never been conscious of.

(堤  哲)