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2020年9月14日

「もういくつ寝ると<ユルリとね> 」―元エコノミスト編集長、高谷尚志さんがFB連載250回に

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「少年時代」の舞台入善町は黒部スイカを品種改良して入善ジャンボスイカとして全国的な評価と知名度を獲得しています

 「少年時代」井上陽水、映画「少年時代」篠田正浩監督に岩下志麻(少年の母)、劇画「少年時代」藤子不二雄a、いずも有名ですよね。

 でも原作は芥川賞作家柏原兵三「長い道」。 兵三少年が母岩下志麻に連れられて、志麻の夫、兵三の父の実家のある富山湾に面した富山県入善町に縁故疎開、その時の思い出を綴った小説です。東京の柏原家は男の子が5人、全員「兵」の字の後に一、二、三、四、五をつけて名前とした。東京は子沢山だったのですが、肝心の入善町のご本家はお子さんに恵まれない。

 そこで本家のご当主に一人是非ということで、入善町のご本家に幼少から赴いたのが「五」番目の兵五。 坂東・村椿甲子園の投げ合いで全国を沸かせたあの魚津高校を卒業、東京の大学に行っている時は東京の柏原家で居住。そこは東大の近くで 東大独文に通う、兄の柏原兵三氏の 友人、仏文の大江健三郎氏も遊びに来ていて、丸いメガネで朴訥にボク大江です 何ていうところも見たという貴重な体験をしています。

 東京でビジネスマン。 東京の大学にやはり行っていた入善町近くの女性と結婚。子供3人、孫6人。

 そこに2011.3.11東日本大震災、それをきっかけに柏原総本家当主の自覚に目覚め、家屋敷、田畑、仏壇、お墓を守る、の決意で、入善町に移り住んだのですね 。その時家屋敷は空き家になっておりました。

 田畑を耕し晴耕雨読。これもいいのですが、兄兵三譲りの文才がムラムラと鎌首をもたげ、そうだブログを書こう、そこで2011年5月から延々と毎日 ブログを更新することになったのです。途中からお正月ちょっと休載、病院に入院中休載、を除けば本当に毎日更新しています。

 その数たるや。なお兵五氏とは取材先で知り合いになりました。ご興味のある方、「随筆風」と検索してください。すぐに出てきます。 ペンネーム「樫平吾」。

 前方に富山湾、後方に北アルプス、四季折々、畑ではネズミモグラナメクジとの戦い、果実を狙う野鳥、村落共同体、ユーモアたっぷりに描き出します。とりわけ都々逸とか警句をひねり出すか見つけてくるのにたけています。

 ・村落共同体
 ホトトギス 自由自在に聞く里は 酒屋へ三里 豆腐屋へ二里

 ・男女の機微
 君は吉野の千本桜 色香よけれど き(木、気)が多い
 浮気うぐいす 梅をばじらし わざと隣の桃で啼く
 老いらくの恋と知りつつ炭の宿 後は囲炉裏の 灰になるまで

 ・人生の機微
 裏を見せ表を見せて散るもみじ<良寛>
 立って半畳、寝て一畳、天下とっても二合半‥

 ・頂門の一針メタボ対策
 今日の我慢か明日の肥満か
 (拳拳服膺してます)

 「樫平吾」に刺激されて、足元にも及ぶものではないにせよ、私も何か、ということで Facebook に「もういくつ寝ると<ユルリとね> 」を毎日、投稿を始めました 。250 本 になるのを、毎友会編集部に気づいていただき、何か書いてみたらとの注文をいただいたような次第です。

 面白いと思ったことをその場で書けて発表の場があるというのは定年退職者にとってはありがたいことです。

 古い話でも新鮮さは失わない。例えばクイズダービー山城新伍、第三の顔とは、大橋巨泉絶句。同じクイズダービーおなじみの教授、篠沢秀夫さんのフランス文学講義録を読んでましたら、『猿の惑星』をめぐる仏文学者と英文学者の仁義なき戦い。断捨離しようと思ってパラパラと眺めた雑誌に太地喜和子さんが椎名誠さんとの対談に登場しているのでちょいと読み返してみると太地さん、自分の葬式を脳裏でシミュレートしていると言っているんですね。慌てて日付を見ると自動車海中転落事故の1年前。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。

 今後、開高健VS淀川長治 裏グルメ対決、杉浦日向子 VS小泉武夫 究極の臭い対決、あの壇蜜が銚子の大学(千葉科学大学。10年ほどお世話になってました)を撹乱した話などを予定しております。

 FB は全公開ですのでお気軽に訪問いただければ。

(高谷 尚志)

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