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2021年3月24日

青田孝著『鉄道を支える匠の技』が「島秀雄記念優秀著作賞」受賞!

 3月24日付け「交通新聞」1面の記事を転載する。

 ——鉄道友の会の2020年「島秀雄記念優秀著作賞」受賞作品、「鉄道を支える匠の技」(青田孝著、交通新聞社新書)に対する表彰式が23日、東京・神田駿河台の交通新聞社本社で行われた。

 「鉄道を支える匠の技」は、鉄道関連企業の現場を訪ね、ものづくりの角度から鉄道業 全体を検証する著作。企業へのきめ細やかな取材と分かりやすい解説で、国際的にも認められつつある匠(たくみ)の技を紹介する書として評価を得た。

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贈呈式後の記念撮影(左から3人目が青田氏)
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 式には、青田氏のほか、選考委員会選考委員長の大賀寿郎氏(芝浦工業大学名誉教授)、鉄道友の会の小野田滋理事(鉄道総研情報管理部担当部長)、鹿山晃理事・事務局長、交通新聞社の横山裕司社長、中村直美常務、石田見常務、松河克彦取締役らが出席。大賀委員長から青田氏に賞状と記念盾が贈られた。

 青田氏は「神様のような存在である島秀雄さんの名を冠した賞をいただき、これほど名誉なことはない」と述べた。

 青田孝著『鉄道を支える匠の技—訪ね歩いた、ものづくりの現場』(交通新聞社2019年6月刊、865円)は、この毎友会HP「新刊紹介」2019年8月8日で紹介した。

 その全文——。

 2019年8月3日付日本経済新聞に続き、7日付東京本社朝刊「ブックウオッチング」欄で紹介された。

 ——鉄道を支える企業20社の技術に肉薄した。気づくのは、取り上げた企業のほとんどが中小、なかには社員8人という会社さえあることだ。日本の鉄路が、こうした人たちの汗で磨かれてきたことが手に取るように分かる。南満州鉄道(満鉄)出身者が創立した企業が登場するなど、日本の鉄道技術者の系譜がかいま見え、ぞくりとさせられる。鉄道はどんな角度からでも楽しめる、くめどもつきぬ愉楽の泉だ。

 青田さんは、1947(昭和22)東京生まれ。日大生産工学部機械工学科で鉄道車両工学を学び、卒業研究として国鉄鉄道技術研究所で1年間研修をしたという鉄道技術マニア。卒業後、毎日新聞社に入社。技術職から編集職場に移り、編集委員などをつとめた。

 70年入社の青田クンとの出会いは、「くりくり」編集部。少年野球の取材が記者生活のスタートとなった。成田支局、メディア情報部、編集委員などを歴任して2003年退職。フリーランスとして執筆活動を続けている

 交通新聞社新書として、これまでに『ゼロ戦から夢の超特急 : 小田急SE車世界新記録誕生秘話』(2009年10月刊)▽『箱根の山に挑んだ鉄路 : 「天下の険」を越えた技』(2011年8月刊)▽『蒸気機関車の動態保存 : 地方私鉄の救世主になりうるか』(2012年8月刊)▽『ここが凄い!日本の鉄道 : 安全・正確・先進性に見る「世界一」』(2017年6月刊)を刊行しているほか『トコトンやさしい電車の本』(日刊工業新聞社2019年7月刊)を発刊するなど、鉄道マニアぶりを発揮している。

(堤  哲)