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2023年4月21日

元生活報道部の鈴木あつこさんが群馬県議に、トップ当選

選挙運動中の鈴木あつこさん(尾中香尚里さん撮影)

 毎日新聞生活報道部時代の後輩で、統一地方選の群馬県議選(4月9日投開票)に立憲民主党から立候補した鈴木あつこさんが、堂々のトップ当選を果たしました。

 私自身は政治部の出身ですが、鈴木さんとは生活報道部でデスクと一線記者の間柄だったため、正直言って、彼女と「政治」がほとんど結びついていませんでした。

 しかし、聞くところによると、鈴木さんはその後に前橋支局で県政を担当した時、記者会見などで山本一太知事と堂々と渡り合う姿が立憲民主党県連の目に止まり、1年半前の群馬県議補選への出馬を打診されたとのこと。

 記者の仕事が大好きだったはずの鈴木さん、たぶん相当悩んだと思いますが、思い切って転身を決意。見事当選を果たしました。

 思えば生活報道部の頃から、鈴木さんは「生きづらさを抱える人たち」の問題にしっかりと目を向け、精力的な取材を続けていました。問題に取り組むための舞台が、報道から政治に移っただけであって、本人の志は何も変わっていなかった。だからこそ、短い期間で多くの有権者の皆さんの心を捉えたのだと思います。

 しかし、比較的ハードルが低かっただろう補選と違い、今度は本選です。鈴木さんにとって、事実上初めての本格的な選挙と言えました。

 陣営からの依頼を受け、私も高崎での総決起集会にお邪魔して、生まれて初めて応援演説をしてきたのですが、その時に見た鈴木さんの成長ぶりに、本当に驚かされました。

 「これ以上イエスマンが増えてもしょうがない!」

 そう言い切った彼女の語り口は、もはや後輩記者のそれではありませんでした。

 完全に政治家でした。

 総決起集会の際にもお話ししましたが、新聞記者としての鈴木さんを失ったのは、毎日新聞社のみならず新聞業界の大きな損失だと思っています。

 でも、その損失を補ってあまりあるほど、これから政治家・鈴木あつこが大きく育っていくことを心から願っているし、それを信じています。

 生活報道部で彼女とともに仕事をしてきた仲間たちも、そう信じているはずです。

 でも本当に大変なのはこれから。どうか身体に気をつけて、これからも頑張ってほしいと願っています。

 この場をお借りして恐縮ですが、群馬県にお住まいの方、またお知り合いがいらっしゃる方、どうぞ鈴木あつこの挑戦を、厳しくも温かく見守ってください。

(尾中 香尚里)

 鈴木さんは1981(昭和56)年生まれ。奈良女子大学文学部卒業(英国に1年留学)後、派遣社員を得て2005年に毎日新聞社に入社。前橋支局で記者生活スタート(以来、群馬県在住)。中越沖地震や東日本大震災の被災地取材を経験。その後、東京本社生活報道部を挟んで2016年から再び前橋支局。近年は主に行政分野を担当した。2021年に退社し、同年の補欠選挙で初当選。家族は夫と子ども2人=本人の公式サイトから