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2024年7月17日

毎日新聞主催の「フォロン展」(銀座ソニービル)から54年、いま「フォロン展」が東京ステーションギャラリーで

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 「空想旅行案内人 ジャン=ミッシェル・フォロン」展が東京ステーションギャラリーで開かれている(9月23日まで)。

 HPによると、《ジャン=ミッシェル・フォロン(Jean-Michel Folon, 1934-2005)は、20世紀後半のベルギーを代表するアーティストのひとりです。若き日に偶然出会ったマグリットの壁画に感銘を受け、絵画世界に惹きつけられたフォロンは、1955年に移住したパリ近郊でドローイングを描く日々を送ります。フランスではなかなか芽が出ませんでしたが、アメリカの『ザ・ニューヨーカー』『タイム』などの有力誌で注目され、1960年代初頭にはそれらの表紙を飾るようになります。その後、各国で高く評価され、世界中の美術館で個展が開催されるなど目覚ましい活躍をみせました。

 色彩豊かで詩情あふれるその作品は一見すると美しく爽やかにさえ感じられますが、そこには環境破壊や人権問題など厳しい現実への告発が隠れていると同時に、孤独や不安の感情が通奏低音のように流れています。

 本展は初期のドローイングから水彩画、版画、ポスター、そして晩年の立体作品まで約230点を紹介する、日本で30年ぶりの大回顧展です。デジタル化やパンデミック、戦争など、社会的に大きな曲がり角にある現代、環境や自由への高い意識をもち、抑圧や暴力、差別などに静かな抗議を続けてきたフォロンの芸術を、いま、あらためて見直します》

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1970(昭和45)年4月26日付毎日新聞日曜版
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フォロン展会場でサインをするフォロン

 フォロン展が日本で最初に開かれたのは、70年4月29日から5月5日まで東京銀座のソニービルで、だった。主催は毎日新聞社と日本オリベッティ株式会社。 毎日新聞は、日曜版でフォロンを紹介。「毎日グラフ」70年5月24日号の表紙を来日したフォロンの作品で飾った。「日本の第一印象」を、花瓶に活けた「矢印の花」で表現した。

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毎日グラフ70年5月24日号の表紙と、それを描くフォロン

 毎日グラフは、フォロン夫妻に同行して、大阪万国博ベルギー館をはじめ、京都・倉敷をめぐり、8ページにわたって特集をした。

 同展は、名古屋市美術館(2025年1月11日~3月23日)、あべのハルカス美術館(2025年4月5日~6月22日)へ巡回する。

詳細は、以下へ。

https://www.ejrcf.or.jp/gallery/exhibition/202407_folon.html?utm_medium=paid&utm_source=fb&utm_id=120209397199120599&utm_content=120209397963630599&utm_term=120209397963600599&utm_campaign=120209397199120599

(堤  哲)