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2024年7月26日

「勘違いするなよ」―朝日新聞夕刊「一語一会」欄に、元社会部記者、瀬下恵介さんの言葉

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 7月25日付朝日新聞夕刊を見てびっくりした。「元毎日新聞記者・瀬下恵介さん」が見出しになっている。「勘違いするなよ」と、文藝春秋社に就職が決まった鈴木洋嗣さん(のち「週刊文春」・月刊「文藝春秋」編集長)に忠告をしたというのだ。

 本文を引用する。《「君はこれから『文藝春秋』の名刺で総理大臣からヤクザの組長まで会える」

 そして続けた。「でも勘違いするなよ。君が偉くなったわけじゃない。読者の『知る権利』『表現の自由』を代行しているだけだから」》と。

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 62入社の瀬下さんは、毎日新聞を退職後、1995年にマスコミ塾「ペンの森」を神保町で創設、これまでに500人以上のマスコミ人を生んだ、と自慢していた。

 2018年80歳で引退、2代目岩田一平元朝日新書初代編集長に引き継いだ。

 2021年8月9日、82歳で亡くなった。この毎友会HP追悼録(2021年8月13日)で『毎日新聞ロッキード取材全行動』(講談社1976年刊)のアンカーであったことなど記者としての活躍ぶりを紹介した。瀬下恵介さんを追悼する「ペンの森」機関誌「瀬下塾ジャーナル」Vol.56(第14巻4号)が発行されたことも、この毎友会HPトピックス(2021年11月25日)に掲載している。ご参考までに。

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 「ペンの森」HPにあった瀬下さんの略歴——。1938年宮崎県生まれ。 鹿児島県立鶴丸高校卒。立教大学社会学部卒後、毎日新聞社に入社、東京本社社会部、西部本社報道部、『サンデー毎日』編集部などに勤務。東京本社社会部遊軍長、サンデー毎日編集次長兼別冊編集長などを経て、TBSブリタニカに移籍、同社取締役。『ニューズウィーク日本版』の創刊にかかわり、同誌発行人。1995年、マスコミ寺子屋「ペンの森」創設。著書に『外人社員―日本ビジネス体験記』(TBSブリタニカ1983年)『上手な文章が面白いほど書ける本―知りたいことがすぐわかる』(中経出版2002年)。

(堤  哲)