2024年12月2日
江刺昭子さん 『関千枝子、「ヒロシマ」を伝え続けて』 を発表
生前の関千枝子さんと交流が深かった女性史研究者の江刺昭子さんが、『関千枝子、「ヒロシマ」を伝え続けて』と題した論考を2024年11月、「地域女性史研究」誌に発表した。筆者の了解をいただいてこれを小冊子に編集した(写真左)。この論考は、今年4月に発行した『関千枝子の足跡を追って』江刺昭子・堀池美帆共著(写真中)の続編である。
江刺さんは、前書で、①大阪で生まれ、広島で被爆して、早稲田大学を卒業するまで、②毎日新聞記者を経て、夫の渡米につきそい、三人の子育てに専念した専業主婦時代、③帰国して、横浜で図書館運動やPTA活動に奔走した市民運動期、④離婚して、全国婦人新聞記者として女性問題に取り組みながら広島に通い、代表作となる『広島第二県女二年西組 原爆で死んだ級友たち』を世に問うた激走期――を書いた。
本冊子は、これに続いて、⑤新聞記者を辞めてフリージャーナリストになり、原爆問題や平和運動に身体を張って取り組み命尽きるまで――をまとめたものである。
江刺さんは「結び」で、「(関千枝子さんは)聖戦を信じこまされ、死に追いやった者たちへの怒りを背負い、わき目も降らず走り続けた。負の歴史を繰り返さないために関の不屈の精神に学びたい」と書いている。
関千枝子さんは、1985年に『広島第二県女二年西組』(日本エッセイストクラブ賞、日本ジャーナリスト会議奨励賞受賞)を上梓した(写真右)。本書はその後ちくま文庫に加えられ2021年現在12刷。修学旅行で広島にいく中高校生の参考図書となっている。
本冊子は、A5版16頁。A4版裏表4枚。ご希望の方には、PDF版を提供します。
福島までご連絡ください。
(福島 清)