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2025年5月7日

特攻機を見送る女校生の写真は、早川弘カメラマン撮影

 写真は、読売新聞4日付け社会面にあった。鹿児島県南九州市知覧町で3日に開かれた戦没隊員を追悼する慰霊祭の一コマである。

 出撃する特攻機を桜の小枝を持って見送る知覧高等女学校の生徒。高齢化でことしは95歳の1人しか参加しなかった。写真を説明する男性は、病院に入院中の元女子学生(96歳)の長男(68)である。

 特攻機を見送る写真は、毎日新聞西部本社のカメラマン早川弘(ひろむ)さん(81年逝去64歳)が撮影した。現在、知覧特攻平和会館に展示されている。

 早川さんは、37(昭和12)年入社。知覧の取材は、旧満州(現中国東北部)従軍から帰国後で、写真は1945年4月12日撮影、5日後の17日付毎日新聞大阪本社版朝刊に掲載された。

 沖縄の米軍艦を狙った特攻作戦。亡くなった1036人のうち、439人が知覧から出撃した。

 この写真は、現在横浜ニュースパークで開かれている「報道写真を読む」展(毎日新聞主催8月31日まで)に展示されている。東大大学院の渡邉英徳情報学環教授がカラー化したものも展示されている。

 5月7日付毎日新聞で、長崎原爆直後に撮影した写真26枚が残されたと特集している。

 その写真を撮ったのは、早川弘カメラマンだった。1945年8月中旬から9月中旬に長崎の惨状を撮影した。

 毎日新聞は、この報道写真を通じて「惨禍の証言 1945・8・9長崎」をサイト内に開設する。「未来を担う子どもたちが長崎原爆の実相を知り、平和を考える機会になるよう」制作したとある。

(堤  哲)