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2025年6月24日

『追跡 公安捜査』の舞台裏を青木理さんと遠藤浩二記者が語った

 オンライントークイベント「『追跡 公安捜査』の舞台裏」が毎日新聞社主催で6月23日午後7時から行われた。

 毎日新聞連載『追跡 公安捜査』(毎日新聞出版2025年3月刊)の筆者・社会部遠藤浩二記者と、元共同通信社会部記者で警視庁公安部を担当したジャーナリスト青木理さんが「大川原化工機事件」の核心を語りあった。

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遠藤浩二記者(左)、青木理さん(右)

 不正輸出を疑われた中小企業の社長らが逮捕、起訴された後、2021年に起訴が取り消された「大川原化工機事件」。5月28日の東京高裁判決でも警視庁公安部の「違法捜査」が認定された。何故、冤罪事件は起きたのか。

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遠藤記者は、この事件を徹底取材、事件を捜査した警視庁公安部の捜査員から内部情報を取得する。夜討ち朝駆け、歴代公安部長、警視総監まで官舎・公舎の前で待ち受け、事件の真相に迫った。

 青木さんは、東京地検が初公判の4日前に逮捕・勾留した3人の起訴を取り消した時(2021年7月)の報道各社の取り上げ方がお座なりだったことを批判、岩波書店月刊『世界』2022年3月号(2月8日発売)に「町工場vs公安警察─ルポ大川原化工機事件」を発表している。

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 オンライン参加者がチャットで感想・疑問を投稿したが、元毎日新聞科学環境部長、現同志社大学生命医科学部特別客員教授の元村有希子さんも「不起訴は時々聞きますが『取り下げ』って珍しいのでしょうか」などと書き込んでいた。

 遠藤記者の著書『追跡 公安捜査』が警視庁の売店でも、の写真も公表された。

 参加を呼び掛ける毎日新聞のHPにあった2人の略歴——。

 青木理さん。1966年生まれ。長野県出身。90年に共同通信社に入社。社会部で警視庁の警備・公安担当、外信部、ソウル特派員などを経て2006年に退社し、フリーのジャーナリストに。テレビ・ラジオのコメンテーターも数多く務める。主な著書に「日本の公安警察」「絞首刑」「安倍三代」など。

 遠藤浩二毎日新聞社会部記者。1982年生まれ。横浜市出身。2008年に毎日新聞社に入社。鳥取支局、大阪社会部、特別報道部を経て、21年から東京社会部。大阪市と堺市の上下水道工事不正問題、ハイオクガソリン混合出荷問題、警察庁長官狙撃事件、大川原化工機事件などを取材。

(堤  哲)