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2025年6月27日

桜守・浅利政俊さんと阿部菜穂子さんがウェビナー

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浅利政俊さん
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阿部菜穂子さん
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 阿部菜穂子さんの新刊『アウシュヴィッツの聖人を追いかけて――ある被爆者と桜守の物語』(岩波書店)の主人公のひとり、桜守の浅利政俊さん(94歳)と阿部さんが26日午後6時から1時間半、一緒にウェビナーをした。

 最初に阿部さんがこの本に登場する3人、アウシュヴィッツで自らの命を他人に捧げて斃れたコルベ神父、長崎原爆を生き延びた小崎登明さん、それに浅利政俊さんの歩んだ道を紹介したあと、阿部さんの質問に浅利さんが答えるかたちで進められた。

 浅利さんは、コルベ神父の生き方に感銘を受け、1988~89年にコルベ神父の母国ポーランドの修道院にサクラを贈った。

 阿部さんが桜の取材を続ける中で、ポーランドの桜が南東部にあるストラホチナの修道院で元気に生きていることが分かった。その間の経緯は、2025年5月22日夕刊朝日新聞に記事に詳しい(添付)。

 浅利さんは「桜づくりは人づくりでもありました」と、桜を通じて子どもたちの教育にあたっていたことを元教師の立場から述べ、阿部さんから最後に一言と求められると「戦争はやめましょう」と訴えた。

 ウェビナーには、ストラホチナの修道院の日本人修道女とポーランド人修道女たちが参加し、「40年前に贈っていただいた桜への浅利さんの思い、平和への願いを聞いて、涙が溢れてなりませんでした」とのメッセージが届いた。

 このウェビナーは、ロンドンの大和日英基金主催で行われたが、イギリスに桜を贈る運動が進められ、阿部菜穂子「桜大使」は、ソメイヨシノ、タイハク(太白)、浅利さんが作ったベニユタカ(紅豊)の三種の桜を選んで、移植を進めている。

(堤  哲)