新刊紹介

2018年6月6日

『ベースボーロジー』第12巻

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 野球文化學會論叢『ベースボーロジー』第12巻が発刊された。

 特集は、野球と音楽─応援歌の果たす役割─。慶應義塾大学名誉教授池井優さんが昨年12月9日、法政大学キャンパスで開いた野球文化學會第1回研究大会で基調講演したものだ。

 副題は「古関裕而と応援歌」。「紺碧の空」、「六甲おろし」、「栄冠は君に輝く」を中心に、とあるが、慶應の応援歌「若き血」の生まれた背景が詳しい。打倒ワセダ、「都の西北」を凌ぐ、元気の出る応援歌を! で、堀内敬三が作曲し、当時普通部3年の藤山愛一郎が歌唱指導をした。そして昭和2年秋の早慶戦で早大に連勝した。

 毎日新聞OBでは、松崎仁紀さんが「野球の起源」をめぐって―日米の研究成果を検証する▽アメリカ文学にみる野球の文化社会学的考察―『ベースボール傑作選』を読む④の2編。小生(堤哲)が「野球を育てた」記者たちの物語―毎日新聞人の野球殿堂入り列伝を発表している。

(啓文社書房刊、1,850円+税)

(堤  哲)