2019年4月11日
伊藤智永 著『「平成の天皇」論』

――天皇像は変わらないものを守るためにこそ、時代に応じて変化しなくてはならない。
約200年ぶりの譲位実現に道をひらいた天皇の「おことば」は、単なる高齢化に伴う公務負担軽減の問題でも、ましてや一部保守派が言うような「弱音」や「わがまま」でもなく、女系・女性天皇容認や女性宮家創設も含めたこれからの象徴天皇制のあり方をめぐる国民への問いかけだった。
戦没者慰霊や被災地慰問の旅を平成の象徴のスタイルとして生み出した天皇が、退位表明に込めたメッセージとは何か?
天皇像は変わらないものを守るためにこそ、時代に応じて変化しなくてはならない。
講談社現代新書から4月17日発売予定。840円+税。
筆者の伊藤智永記者は、毎月第1土曜日掲載コラム「時の在りか」の筆者。1986年入社。政治部、経済部、ジュネーブ特派員、現在編集委員兼論説委員。
(堤 哲)