2020年3月30日
元気な全共闘世代! 毎日新聞OBは?
700ページを超える『続・全共闘白書』(情況出版、3500円+税)を編集した元東大全共闘の前田和男さん(72歳)が3月19日付毎日新聞「ひと」欄で紹介された。
1994年の『全共闘白書』(新潮社)の続編。あれから半世紀、かつての活動家にアンケート調査した結果をまとめたものだ。回答者は全国120超の大学・高校での学園闘争体験者計467人。匿名でも掲載不許可を除く451通が掲載された。
獄中から重信房子、和光晴生が応じている。
①運動には「活動家として参加」②参加理由「自らの信念で」③参加したことを「誇りに思っている」④あの時代に戻れたらまた参加するか「する」⑤革命を「信じていた」……質問は75項目にわたる。この回答は前田さんのを引用した。
前田さんは編集プロダクションを経営し、私もいくつかの企画で一緒に仕事をしてもらったことがある。路上観察学会の事務局をつとめ、著作には資生堂『MG5物語』、アシックスのペダーラを追った『足元の革命』、『男はなぜ化粧をしたがるのか』や、『選挙参謀 三ヵ月で代議士になれる!』『民主党政権への伏流』など。翻訳本もいくつも出している。
それはさておき当然、毎日新聞記者OBもいるはずと思って、探してみた。
匿名で元新聞記者がいた。定期購読紙誌に「毎日新聞」とあったので、多分……。
その回答。1948年生まれ、68年早大入学。無職(元新聞記者)
⑤革命を「信じていなかった」⑥社会主義の有効性「失った」⑦運動は人生を「変えなかった」⑧思い出に残る闘争「学園闘争(早稲田大学)」⑨運動から離れたのは「内ゲバ(党派闘争)、暴力闘争辞退⑩運動は人生に「役立っている(生涯を通しての友人・先輩ができた)……(75)最後にこれだけは言いたい「東大・安田講堂で機動隊導入の前夜、日和ったトラウマを、早大闘争で革マル突入(実際にはなかったが)前夜、校舎内で耐えたことで克服した。以来、人生ってリターンマッチがあることを学んだ。挫折の後には、また夜明けがあることを若い人に知ってほしい」
アンケート結果。③参加したことをどう思うか「誇りに思っている」310名(69.5%)。25年前の296名(56.3%)より増えている。
④あの時代に戻れたらまた参加するか「参加する」299名(67.0%)。これも25年前の291名(55.3%)を上回っている。
元気な全共闘世代である。《「連帯を求めて孤立を恐れず」という全共闘の名文句は、今も生きているのです》と前田さんはいっている。
(堤 哲)