2021年1月6日
復刊!江成常夫著『シャオハイの満洲』
シャオハイは中国語で子どもを意味する。
旧満州(中国東北部)では、敗戦で多くの日本人の子どもたちが取り残された。中国人の養父母に育てられたが、敗戦のとき何歳だったのか、日本の父母の名前、自分の日本名もわからない。残留孤児である。
写真家・江成常夫さんは、5年にわたって現地で撮影取材、その人たちの写真とプロフィールを紹介した。
単行本は集英社から1984年10月に発行され、1985年第4回土門拳賞に輝いた。
その後、1988年7月に新潮文庫で再刊された。
今回、論創社から復刊されたのである。
四六判356ページ。定価:2400円+税。
ISBN: 978-4-8460-1988-4
江成さんは1962年毎日新聞社入社。64年の東京オリンピック、71年の沖縄返還協定調印などの取材に携わる。74年に退職し、フリーに。戦後、駐留していた米兵と結婚し渡米した「戦争花嫁」を撮影取材。以後一貫して「戦争の昭和」に翻弄された人たちの声を写真で代弁し、日本人の歴史認識を問い続ける。
『花嫁のアメリカ』(講談社)は木村伊兵衛写真賞を受賞した。
写真集に『花嫁のアメリカ 歳月の風景』(集英社)、『生と死の時』(平凡社)、『鬼哭の島』(朝日新聞出版)、『被爆 ヒロシマ・ナガサキ いのちの証』(小学館)など多数。
1936年神奈川県相模原市生まれ。九州産業大学名誉教授。
(堤 哲)