新刊紹介

2024年4月1日

元新聞労連委員長、社会部の東海林智さんが新刊「ルポ・低賃金」

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 フェイスブックでちらちらとお伝えしてきた東海林の新著「ルポ・低賃金」の発売がようやく、正式にアナウンスできる状況になりました。まだ実は、校正などの作業は残っていますが、〝宣伝〟始めても大丈夫となりましたので、お伝えします。

 内容は漂流する若者やシングルマザー、高齢者や農民など〝低賃金〟であることを起点に厳しい生活を送る人々に迫り、新時代の日本的経営がもたらしたこの国の壊れっぷりをルポする内容です。新時代の日本的経営は、構想が公表されてから来年で30年です。そのことを意識しながら、現状を見つめる本にしたいと思って書きました。

 本を出してくれるのは「地平社」という4月に船出した新しい出版社です。地球と平和の新たな〝地平〟を切り開かんとするその志やヨシで、社長は、岩波の月刊誌「世界」で編集長を務めた熊谷伸一郎さんです。昨年7月に岩波を退社して、仲間たちと新たな出版社を立ち上げました。そこが4月に刊行するラインナップ6冊のうちの1冊です。他のメンツは、新聞労連元委員長の南氏や内田聖子さん、元NHKの長井さんなどそうそうたるメンツが骨太なテーマで本を書いています。なので、東海林の本が一番苦戦が予想されるので、ぜひ、応援してやってください。

 個人的には約10年ぶりの単著(もう、そんなになるのか)です。昨年10月から執筆を開始したのですが、母親の死を始め、「なんでこんなに色んなことが起きるん?」と叫びたくなるほど、身辺に色んなことがあり、会社の仕事をしながら、半べそで夜中に書き下ろした本です。自分で自分を褒めますが、「良く逃げ出さなかった」なと。逆に言えば、この10年、本を書く書くと言いながら逃げ続けてきた東海林を執筆に向かわせるには、これだけ大変な状況に追い込まないと、と〝本の神様〟が思ったのかも知れない。友人の「本を出せるなんて、ホントに恵まれたことなんだから、死ぬほど苦しまないとだめだよ。6分の1とは言え、東海林に船出をかけた地平社のためにも逃げるな」との言葉は重かったっす。なんで、これからしつこく宣伝すっからね。みなさん。ぜひ。

 「地平社」のサイトを貼ります。なんとここから「予約」できます。地平社 | 「地」球と「平」和を考える出版社(chiheisha.co.jp)税別1800円。新書でないと売れない時代に、あえて……。4月以降、本を担いで全国回るから呼んでや。(東海林 智)

 「ルポ・低賃金」は地平社から4月23日発売、1800円+税。

 東海林 智(とうかいりん・さとし)さんは1964年、山形県生まれ。現在、毎日新聞社編集局社会部記者。一貫して労働と貧困・格差の現場を取材している。元新聞労連委員長、元MIC(日本マスコミ情報文化労組会議)議長。2008年12月31日から2009年1月5日まで開設された年越し派遣村の実行委員を務めた。著書に『15歳からの労働組合入門』(毎日新聞社、2013年)、『貧困の現場』(同、2008年)など。新聞報道で反貧困ジャーナリズム賞、著作で日本労働ペンクラブ賞などを受賞=地平社の著者紹介から