新刊紹介

2024年5月16日

「僕らはまだテレビをあきらめない」―日本記者クラブ会報5月号「マイBOOKマイPR」転載

政治によるメディア介入に警鐘

 放送・新聞・通信にまたがるベテランジャーナリストや大学教員6人が、早稲田大学の研究プロジェクトとして、政権への忖度や委縮に流されがちな近年のテレビ報道について、放送倫理・番組向上機構(BPO)の「放送倫理憲章委員会」委員だった映画監督の是枝裕和氏、元委員長で弁護士の川端和治氏らにインタビューした。その詳細や6人による座談会などを収録した。テレビ・ドキュメンタリー制作経験も豊富な是枝氏による「放送と公権力の関係について」の論考は示唆に富み、メディア関係者必読。

 高橋 弘司(毎日新聞出身)筆

「僕らはまだテレビをあきらめない」は「早大そうだったのか!ジャーナリズム研究会」など共著。緑風出版。2500円+税
ISBN978-4-8461-2312-3 C0036

■内容構成=緑風出版のホームページから抜粋

序 章 BPOはなぜ発足したか/放送倫理検証委員会/安倍政権の政治介入/放送法第四条とは何か?/

第1章 是枝裕和監督の放送愛

第2章 川端和治/元放送倫理検証委委員長と放送法四条

第3章 広瀬道貞/元民放連会長が明かす放送倫理検証委をつくったわけ

第4章 公平公正とは何か

1 座談会 公平公正論を考える

繰り返す「公平/公正」要請/「圧力まがいには抗議すべきだ」/優先される価値は「公正」/「偏向報道には意見」/なぜ介入を許すのか/メディアが支持のお手伝い/正論よりアグレッシブさを/事実を表に出していれば……/独立行政委員会の議論/後世の審判に耐え得るよう/「持たざる者」の立場から/

2 石破茂氏インタビュー

3 片山虎之助氏インタビュー

4─1 「総務省文書」とは何か

浮き彫りになった放送法の構造的欠陥/在京六紙の論調は?

4─2 座談会「総務省文書」をどう読み解くべきか/メディアの対応はどうすべきか/停滞する文書問題 議論の行方は……

是枝裕和監督「論考」編

「放送」と「公権力」の関係について