2023年5月10日
元大阪運動部長の北村弘一さん(59)が介護福祉士国家試験に合格
新聞社退職後に勤務した出版社を経て、4年前に介護の世界に飛び込みました。以前この欄に介護福祉士に挑戦する旨の投稿を掲載させていただきましたが、今年1月に受験した国家試験に無事合格し、このほど資格証が届きました。前回同様、初任地の支局長だった高尾義彦さんのお声掛けでこの欄に寄稿する機会に恵まれました。
介護福祉士は福祉系の国家資格である三福祉士(介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士)の一つで、法的には「介護を必要とする方に適切な介護サービスを提供し、介護を行う者に対して指導やアドバイスを行える」と規定されています。実際のところ、事業所に介護福祉士として登録すると、一定の額の手当が付き、夜勤や残業の手当も増えます。
介護現場で3年勤務し、実技試験を伴う実務研修を修了していると、福祉系の大学や専門学校を修了していなくても受験資格を取得できます。試験は筆記のみ。今回の合格基準は125点満点中75点で、私はなんとか91点。例年8、9万人が受験し、合格率は7割程度でしたが、今回は受験者が7万人を割り、結果的に84.3%と広き門でした。
団塊の世代の方々が後期高齢者となる2025年に介護職員が30万人以上不足するといういわゆる「2025年問題」が目前に迫っているのに、国家試験の受験者数は2年連続で減少していて、このあたりの状況が合格水準の背景にあるのは間違いなさそうです。
この3月に59歳になりました。介護福祉士のうち、50、60歳代の男性は新規合格者ベースで6%。思い返せば、まったく未知の世界で、圧倒的に女性が支配する環境にあって、時に屈辱的なダメ出しを受けながら最初の1年を乗り切ったことが資格取得へのステップだったのでしょう。
介護福祉士になったところで食事や排せつ、移動、入浴介助など日常の仕事内容はほとんど変わりません。ただし介護福祉士としてさらに5年勤務すると、生活支援専門員(いわゆるケアマネ)の受験資格を得られます。
この先、ステップアップを目指すかどうかは、まだ決めようがないけれど、ともかくこの機に自宅から徒歩圏内の施設に転職することにしました。7月に勤務を始めるまでは、未消化の有休を利用し四国八十八箇所の歩き遍路に出かけます。梅雨の時期に入りますが、雨に打たれながら、今後のことをゆっくり考えてきます。
(北村 弘一)
北村弘一(きたむら・こういち) さんは1964年滋賀県生まれ。88年毎日新聞入社。東京社会部、浦和支局、編集制作総センタ-、運動部、秋田支局、北海道報道部などを経て、鳥取支局長、大阪運動部長。2018年選択定年退職。趣味は登山、園芸、寄席見物。