2024年12月20日
完全復活した「風知草」山田孝男記者
読売新聞のドン渡辺恒雄さんが98歳で亡くなって、その評伝が毎日新聞対社面に載った。
筆者は、客員編集委員・山田孝男さんだった。
人気コラム「風知草」がことし3月11日付朝刊を最後に紙面から姿を消して、久々の登場だった。体調を崩して、「風知草」最終回が掲載されないままになっていた。
この日の「評伝」で見事復活した。
その書き出し——。
<ナベツネ>こと渡辺恒雄氏は、生涯、政治権力を取材し、権力操縦を追求した新聞人だった。
そして結び——。
葉巻をくゆらす尊大なポーズと毒舌。自ら悪役を楽しむ名優でもあった。
◇
1952年生まれだから、ことし72歳。
早稲田大政経学部卒。政治部長、編集局総務などを経て2007年から月曜朝刊コラム「風知草」を担当。14年度日本記者クラブ賞受賞。
これは毎日新聞のHPにある略歴である。
私が関係する団体で講演を頼んだことがあった。
事前に詳細なレジメ、いや講演の原稿を送ってきた。
——今、世界的な歴史的な情報通信革命の激動の最中にありまして、紙の新聞は売れません。デジタル化の試行錯誤が続いております。もう新聞の時代は終わった、といわれます。しかし、毎日、テレビの情報番組が流すおびただしいニュース、あるいはネットが流すニュース、これは一体誰が取材しているか。これは新聞社、あるいは通信社であります。
全国紙は、千人から数千人規模の記者をそれぞれ擁しております。民法テレビ局とは記者の数の桁が違います。ネットメディアは、自前で記者を養成する機能は持っておりません。
演題は、安倍首相の「ことば」について、だった。令和元年(2020)の日付が入っている。
新聞記者の矜持が見事ではないか。
ご活躍を祈る!
(堤 哲)